みなさん、こんにちは!
長野県松本市で「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
当事務所が業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社の運営する家族信託Web「スマート家族信託」コラムを参考に、家族信託や生前の相続対策について考えていきます。
○トリニティ・テクノロジー株式会社Web↓
今回は、家族信託の専用銀行口座である「信託口口座(しんたくぐちこうざ)」にまつわる話題をお届けしていきます。
その前に、「家族信託」とは何ぞや?簡単動画(約7分間)にまとめてありますので、まずはご視聴ください。↓
1.分別管理義務とは?
家族信託を利用する場合、信託法で受託者は「分別管理義務」を負い、信託された財産と個人の財産とを分別して管理しなければならないとされています。
そのため、金銭の信託を受けた場合や信託された不動産から賃料が生じる場合、受託者は自身が普段使用している口座とは別の信託用の口座を開設し、そこで信託された金銭などを管理していくことが望ましいとされているのです。
2.家族信託でつかう銀行口座は?
家族信託を運用する際に使う口座は大きく分けて2種類あります。
家族信託で使う口座は「信託口口座(しんたくぐちこうざ)」と「受託者名義の普通口座」の2種類があります。それぞれの口座の特徴について、確認していきましょう。
(1)信託口口座
信託口口座とは、家族信託で預けたお金を管理・運用するための専用の口座です。
信託口口座にある財産は信託された財産であるため、受託者が死亡したとしても受託者の相続人へ相続はされません。
また、受託者個人による借金の滞納や破産があった場合でも、 信託された財産は差し押さえなどの強制執行の対象にはならないという信託法の規定に則り、家族信託における財産管理のため特別に開設された仕組みなのです。
一般的な普通口座と異なるのは、口座名義が「委託者○○ 受託者△△ 信託口」のように委託者と受託者が連名で記載される点です。
現時点では全国どこでも簡単に開設できるわけではなく、ごく一部の大手銀行や地方銀行・信用金庫でしか取り扱われていません。しかしながら、地方銀行を中心に、ここ数年、この信託口口座を扱う金融機関が増えてきています。
アナタがお住まいの近隣で開設できる金融機関があるか、探す必要があるでしょう。
通常の口座開設とは異なる開設条件があるため、開設までの時間と手間もかかります。
また、一見「信託口口座」に見えても実際は受託者の個人口座に屋号として 「委託者 〇〇 受託者」と明記されているだけに過ぎないケースもあると言います。
これでは屋号付きの普通口座と変わりないため、万が一の時には凍結されてしまうリスクが残ります。
家族信託を開始する前に、受託者の個人口座と紐づいていない口座の開設が可能か、金融機関へきちんと確認しておくと安心です。
※長野県内の状況
長野県内に本店をおく金融機関の状況ですが、八十二銀行、長野銀行、松本信用金庫などが信託口口座に対応しています。いずれも口座開設には手数料がかかります。
また、インターネットバンキングに対応している信託口口座を扱っている金融機関もありますので、委託者と受託者が遠距離で離れて暮らしている場合でも利便性が発揮できます。
なお、信託口口座を開設するには、信託契約を公正証書で作成することを条件としています。(金融機関の審査として、公正証書にする前の信託契約書案を事前にチェックしてもらう必要があります。この審査に約3週間程度かかります。)
(2)受託者名義の普通口座
新たに開設した受託者名義の普通口座を、信託専用の口座として使うことも可能です。信託専用口座とも呼ばれています。
受託者自身が使い勝手の良い銀行で口座を開設しておけば、その後の入出金も便利です。
しかしこの場合、受託者名義の口座であることから通常の口座名義と同様の記載がされます。通帳を見るだけでは信託財産を管理するための口座・通帳とは判別ができません。
受託者には、信託された財産を受託者自身の個人の財産と信託財産を分けて管理する、分別管理義務があるため、他の財産と混ざってしまわないよう注意が必要となるでしょう。
また、受託者名義の普通口座の場合、家族信託契約書には「金融機関名」「口座名義」「口座番号」を明記する必要があります。(信託口口座の場合ですと、信託契約が公正証書化してから口座開設となります。)
3.家族信託で信託口口座を利用するメリット
家族信託の財産管理を行うための口座は大きく分けて2種類あることをご紹介しました。
それでは「信託口口座」を利用するメリットを詳しく見ていきましょう。
(1)財産の分別管理が容易
信託口口座にある財産は「信託財産」として扱われます。したがって受託者個人の財産と間違われることもなく、第三者にも明らかです。
間違いなく信託財産であることが明確化されるため、分別が容易と言えるでしょう。信託財産が、受託者の財産に混ざってしまうおそれを回避できる点も安心です。
(2)受託者が破産・差し押さえられても信託財産を守れる
信託口口座を開設せずに管理しているうちに万が一、受託者が破産した場合はどうなるでしょうか。1)にもあるように信託口口座にある財産は明らかに「信託財産」です。
「受託者の財産ではない」ことが明確なので、受託者が破産しても信託財産に影響がでることはなく安心して財産を守ることができ安心です。
(3)受託者が死亡しても信託財産を守れる
受託者の死亡時も同様、信託口口座の財産は「受託者の財産ではない」ことが明確です。
さらに信託契約では万が一に備えて、あらかじめ予備の受託者(第二受託者、第三受託者など)を定めておくことができます。これを「後継受託者」といいます。
この定めによって、委託者よりも先に受託者が死亡した場合は後継受託者が管理を継続します。
このように、信託口口座であれば受託者が先に死亡しても口座は凍結することなく、スムーズに後継受託者に管理の引き継ぎが可能になります。
また、受託者の相続人から、相続財産の一部であるといった主張をされるリスクもなく信託財産を守ることができます。
4.家族信託で信託口口座を利用するデメリット
利用者にとってはメリットの大きい信託口口座ですが、信託口口座を開設・管理する金融機関にとっては、信託法・信託契約の内容に従って契約がなされているかなどの確認に手間と時間をかける必要があります。
以上の背景をふまえ「信託口口座」を利用するデメリットも詳しく見ていきます。
(1)信託口口座の開設に時間と費用がかかる
信託口口座は通常の口座に比べて、非常に特殊な口座です。印鑑や戸籍謄本などの書類提出や、金融機関による信託契約の内容審査などの手間と時間がかかります。
また、金融機関によって口座開設の手数料として数万円程度の費用がかかり、 さらには口座管理費として年会費が定められているケースもあります。
(2)信託財産額やプランに金融機関の指定条件がある場合も
金融機関によっては信託口口座の開設を希望する際、信託財産額の条件があったり、 金融機関が指定する信託プランの中から組まなければならない場合もあります。
銀行による家族信託のサポートは非常に心強いですが、金融機関独自の条件があったりと、柔軟性に欠ける部分もあると言えるでしょう。
また、金融機関は法的手続きを代行することはできません。状況によっては金融機関から専門家に委託する場合もあり、 結果的として専門家に依頼をする費用が高額になってしまうこともあります。
ご自分たちで信託プランを考えたい場合や、ご自身が信頼を寄せる専門家に任せたいという方にとってはデメリットとなるでしょう。
(3)信託口口座を開設できない金融機関もある
現時点では、全国すべての金融機関で信託口口座を開設できるわけではありません。開設ができる場合も、支店ごとに取り扱いが異なる金融機関もあります。
信託口口座を開設できる金融機関が近隣にあるかどうかの確認だけでなく 開設後に入出金の際に足を運ぶことができる場所であるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
5.信託口口座の開設をする金融機関を選ぶポイント
家族信託で信託口口座を開設する際、どのように金融機関を選んだら良いのかポイントを見ていきましょう。
(1)家族信託の取り扱いがあるか
家族信託は比較的新しい制度であることから、すべての金融機関で取り扱いがあるわけではありません。普段から馴染みのある金融機関で開設ができれば良いですが、必ずしも信託口口座の開設ができるわけではない点に注意し、金融機関への確認を行いましょう。
(2)受託者にとって利便性があるか
家族信託後、受託者は委託者の治療費や生活費を捻出するため、日常的に信託財産の入出金をすることになるでしょう。
毎回手間とならないよう、主に以下のような点を確認しておくと良いでしょう。
・近隣の金融機関で入出金ができるか
・24時間、入出金ができるか
・ATMは使えるか
・インターネットバンキングに対応しているか
6.信託口口座の開設には?
信託契約書は「公正証書」により作成する必要があります。法的に家族信託契約は私的契約でもスタート可能ですが、信託口口座を開設する場合、口座開設の根拠として金融機関に提示する契約書であるため、公正証書での作成が求められます。
この契約書案は、金融機関の事前チェックが必要です。また、開設には戸籍謄本や住民票などの本人確認書類も必要です。
信託口口座は、一般の口座と比べ特殊な口座です。そのため、金融機関によって開設の可否の判断が分かれるほか、開設に必要な書類や手数料についても差があります。
口座開設には確認事項の厳格化という流れもありますので、事前に各金融機関に確認をとり、事前に説明を受けておく方が安心です。
7.専門家のサポートも必要?
信託口口座を開設する場合、信託契約を公正証書で作成する必要があるため、公証役場の公証人との調整や、口座開設を希望する金融機関の審査を受ける必要があります。
金融機関の審査には3週間程度かかる場合も多いですし、文案修正が必要な場合もでてきます。また、最寄りの支店では開設できない場合もあります。
その上で、公証人との信託契約書文案の調整を行いますので、多くの手間と時間を要します。
そうした場合には、実績のある専門家に依頼する方法もあります。そうすることで、公正証書作成や口座開設などの日程調整、信託口口座への送金、信託財産に不動産が含まれる場合の信託登記手続きまでのすべてを円滑に、かつ短期間で行うことができます。
実際に、信託契約書文案は、何度か修正を求められることもありますので、実績豊富な専門家に依頼することを検討してみてもよいでしょう。
8.ディアパートナー行政書士事務所では
家族信託は比較的新しい制度であるため、たとえ法務系士業(弁護士、行政書士、行政書士)や税理士といった士業であっても、制度に詳しい士業は極めて少なくいため、実績のある専門家にご相談することをお勧めします。
ディアパートナー行政書士事務所では、国内有数の家族信託実績を有する企業(トリニティグループ/トリニティ・テクノロジー株式会社)と業務提携しながら作業を進めますので、安全安心な全国トップ水準のサービスをご提供することが可能です。
また、アフターサポートに関しても、スマートフォンで簡単に信託財産の管理を行うことができる「スマート家族信託」を導入していますので、家族間での管理状況の共有や関係帳簿の簡単な作成を行うことができます。
スマート家族信託の紹介動画はコチラ↓
スマートフォンで簡単に信託財産の管理を行うことができる「スマート家族信託」は、当事務所と連携しているトリニティ・テクノロジー株式会社が提供しているサービスで、全国初・唯一のサービスです。
ディアパートナー行政書士事務所では「スマート家族信託認定アドバイザー」資格を取得していますので、家族信託組成後のアフターフォローも安心してお任せいただけます!!
地方在住の親世代に多い受託者候補(子供世代)が大都市圏に在住していて、親世代が地方に暮らしている場合は、両地域間の連携が強く求められますが、この「スマート家族信託」を活用することできわめて円滑な運営管理が可能となります。
また、最近、信託口口座でのインターネットバンキングが利用ができる金融機関が増えてきていますので、こうした親世代と子世代が遠く離れて暮らす場合には、「スマート家族信託の活用」と「インターネットバンキングの利用」を併用することで、より大きなメリットを感じていただけるのではないかと考えています。
実際、今月サポートさせていただいた家族信託組成の事例ですと、「家族信託」「遺言書」「スマート家族信託」「インターネットバンキング」を利用し、首都圏に住む受託者が、長野県内在住の委託者兼受益者の親御さんの家族信託を運用するようなケースがありました。
「家族信託の活用」などのお問い合わせや初回相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
9.ご相談はディアパートナー行政書士事務所へ!
ディアパートナー行政書士事務所では、家族信託に限らず、遺言書作成や任意後見契約など生前の相続対策のご相談を承っておりますので、相続対策全般についてお気軽にご相談ください。
ご自宅への訪問やサザンガク(下のチラシを参照)でも面談に対応しています。また、土曜日・日曜日、時間外の対応も行いますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
ディアパートナー行政書士事務所 電話:0263-34-6163
電子メール:info@dp01.co.jp
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